公園デビュー

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息子を初めての公園に連れて行く、いわゆる公園デビューに申請が必要になった。デビューする内容を明確にしないといけないらしい。

隣の安田さんはアイドルとしてデビューした。向かいの舟橋さんは小説家だ。

公園の常連さんが認めてくれれば何でもいいので悩む必要もないはずだけど、いざ決めようとするとふんぎりがつかない。息子のためにも自分にぴったりなものでデビューしたい。

夫に相談したら、「小さい頃の夢を実現したら」とアドバイスをくれた。小さい頃の夢。小学校の卒業文集を見て思い出す。わたし、フェンシングの選手になりたかった。

フェンシングの防具に身を包んで公園に向かう。わたしのデビュー戦。いじわるする人がいたら突いてやる。頑張るから、わたし。

そんな母を見て、息子は楽しそうに笑ってくれた。
ファンタジー
公開:21/01/14 00:10
更新:21/01/14 00:59

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