望んだ仕事

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俺は仕事を探していた。これまでの仕事はどれも満足できなかった。
鍛え抜かれたこの身体で、俺はもっと注目され称賛されなければならないのだ。

『サンタクロース募集!子供に夢を届けませんか?』
ふん、こんな子供だましなんぞ。

『雪男募集!地球の救世主はあなたです!』
条件は屈強な男。
救世主の文字に惹かれ、首を捻りながら面接に行く。
面接官は透き通るような美人だった。仕事は温暖化対策として世界中の雪を司ること。
「もはや人間の手には負えないの。あたしは雪女。あたしと交わればあなたも雪男になるのよ。」
願ってもない話じゃないか。こんな美人と、そして世界中が俺を恐れ、崇め奉るのだ。
 
だが仕事は過酷を極め、その上決して人目についてはならなかった。これでは意味がない。
俺は人間界に戻ることを希望した。
「仕方ないわね。」

【氷漬けの雪男発見さる!】

俺は今、世界中の注目を浴びている。
その他
公開:20/02/06 14:48

文月そよ

のんびりゆるぅり書いてみたいと思います。

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