ポラリス

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「星のネックレスが欲しいな」
初めてのデート、彼女の呟き。
(もしかしてダイヤねだられてる?)って思った俺、馬鹿野郎。

「ほら、北極星をネックレスにしてつけてたら、なんだか自分の道、迷わないで行けそうじゃない?」

好きなことで食べていく。ようやく一歩を踏み出し始めた、眩しい彼女の言葉。そんなの分かって当然のはずなのに。

後悔した数日後、安っぽい首飾りを見つけた。星座シリーズ。ニッチなもの売ってんなと思いつつ、迷わず『こぐま座』を手に取る。尾っぽに光る北極星。あと、これも買お。

(安物だけど)ドキドキして渡すと、覚えててくれたんだ、とはじける笑顔の粒。まるで昴。

だけど運命は残酷だ。「彼女は星になった。生き返らせたくば、お前の命を」と悪魔が囁く。

だけど僕は悪魔を追い返す。胸にあの時買った『おうし座』を光らせて。僕は彼女の後を追うアルデバラン。君の見れなかった夢を追うと決めた。
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公開:19/12/03 00:54
更新:19/12/03 21:45

綿津実

自然と暮らす。
題材は身近なものが多いです。
 

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