家出するコタツ

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朝、コタツが家出していた。
私はパニックになって町中探しまくり、リサイクルショップの前でコタツを見つけた。
「行かないで。あなたなしでは生きていけないの」
「うるせぇ。もうウンザリなんだよ」
振り返ったコタツ布団は茶色く汚れていた。
「もう醤油こぼさないから」
「違う」
「お茶もこぼさない。天板と布団の隙間に封筒とか入れない。中で洗濯物乾かさない。だから戻ってきて」
「違うって言ってるだろ!」
「じゃあ、何?」
「お前、俺に入ってミカン食べるだろ」
「うん」
「その時、お前、俺の中でオナラするだろ。それが超臭ぇんだよ!」
まさか、そんな理由だったなんて。
「わかった。もう絶対にコタツの中でオナラしない」
「…約束だからな」
こうして私はコタツと手を繋いで家に帰った。
それから私は、オナラが出そうになると、コタツから出て、窓を開けてベランダでするようになった。

3日後、ベランダが家出した。
ファンタジー
公開:19/11/19 11:41
更新:19/12/12 12:23
スクー

のりてるぴか( ちばけん )

月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。

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