全自動生活

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 窓外が白み始めたころ、男は目を覚ました。
『おはようございます』
 かけ布団が挨拶を述べ、足元まで下がり畳まれた。
 起き上がり部屋の外に向かう。扉が横にスライドする。
 見出しを整えキッチンへ。
 和食派の彼のため炊飯器が蓋をあけ、炊き立てのご飯を差し出した。
 朝食を終えると、食器はゆっくりと移動し食器洗い機が作動した。
 出社時間が近づき、彼は開かれたドアから自動車に乗りこむ。
 モーターが程よく回転し、車は道路へと走り出す。
 彼はいつものように座席の上で新聞を広げる。
 車は快適な速度で道路を滑るよう進んだ。
 だが、突然だった。
 フロントガラスに大きな木の影が映った。
 衝突。横転。炎上。
 彼は強くぶつけた頭を押さえ車外に這い出た。
 そして、苦しげにつぶやいた。
「ちくしょう。どこから悪霊が紛れ込んだ?!」
 燃える車体の中、貼られた式神の術札も灰になろうとしていた。
SF
公開:19/11/18 22:01

ルイス足永( 関東 ケヤキの葉の上 )

ルイス足永(アシナガ)と申します。
普段はニコニコ静画に画像付きの作品を転がしています。
こちらにも載せれそうな作品の投稿をしたいと思います。
twitter:https://twitter.com/otoshibumi57
ニコニコ静画:http://seiga.nicovideo.jp/clip/2497487

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