ポチ袋

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正月。田舎に帰省していた私は、祖父から「年玉じゃ」と、妙に厚みのある白い封筒を手渡された。封筒には大きく『ポチ袋』と書かれている。達筆だ。
「ありがと。て、分厚っ! それに普通『お年玉』って書かない?」
「すぐ使わんようにな」
どういう事? そう言えばズシリと重い。分厚いと言っても、お金はこんなに重くないはず。この重みは、何?
「何が入っているの?」
「大金じゃよ」
私が中身を確認しようとした時、ポチ袋が吠えた。ワンッ、と。
「い、犬?」
ポチ袋がワンワン吠え続ける。それはどう聞いても犬の鳴き声。しかも、どこか聞き覚えのある懐かしいもの。この声、かつて祖父が飼っていた……。
私は試しに「ポチ!」と呼んでみた。
「ワンッ♪」
あぁ、間違いない。ポチだ。
これは来るべき日まで開けるわけにはいかない。今、開ける事はポチの内臓を抉るに等しい事となる。
このポチ袋には、お金以外の重さも詰まっている。
その他
公開:19/12/17 19:30
ことのはさんの「忠犬」を読んで お蔵入りをリライト(笑)

壬生乃サル

自由きままに、気の向くままに。
サルも木から落ちる・る・る~。

壬生乃サル(MIBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)

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