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六出花、眞白に辟易する少年少女は、愛に恋だと熱に浮かされ一夜の過ちを犯す。

人はその大義名分を、バレンタインデー。と言うらしい。

あれはロマンチックでない。爛れたリアリズムだ。そう言うが早いか、男はいつより半刻も前に家を出た。

学校に着くと下駄箱を開いた。中には何もない、何もない上履きが入っていた。

早足に教室へ行き、椅子に座った。徐に、机の中に手を入れる。男は欠伸をして、そのまま伏せた。どうやら、そのまま一眠りするようであった。

今日は、平日である。

男の一日は、そのままで終わった。

うとうとと帰りに下駄箱を開けると、そこには何かが入っていた。そう、何かが入っていたのだ。

男は、ただそれを喜んだ。澄まし顔のふと綻ぶ、その純心の発露には掛ける言葉が見つからなかった。

男は走り、帰路に着いた。

そして、息が切れて家に着く頃、足元の冷たさに目が醒めた。

酷い霜焼けだった。
青春
公開:19/11/08 23:42
更新:19/11/09 00:04

莎 沙翁( 岐阜 )

平均的な高校生。

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