鶯谷★

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鶯谷のワンルーム
俺は体をかきむしり痛みで目を覚ます
肌は血で滲み傷跡だらけだ

今朝も、朝日で熱を持った傷をひたすら掻いた
爪に汚い皮膚が詰まる
指先は摩擦で熱く焦げた匂い
嗅ぐたびに自分が嫌いになる
絶え間ない不快
生きるのが嫌だ
「ホーホケキョ」
美しい鳥の声とは正反対の日常が苦しい

『ダニですね』
医者はそう告げた
ダニだと?
こんなに悩んできたのに、たかがダニ?
嘘だ
そんな可能性は遥か昔に考え、掃除機も死ぬほどかけた
だが痒いのだ
俺は一縷の望みをかけて煙の出る殺虫剤を焚いて部屋を出た
ホーホケキョ
ホーホケキョ
ホーホケキョ
鳥の声が響く

部屋に戻るとすぐ異変に気付いた
天井の色がベージュから白に変わっていたのだ
そして床にはゴミの塊
近寄るとそれは全て羽のついたダニだった
「ホーホケキョ」
え?
死骸の中、かろうじて動いていたダニが鳴いた
なるほど
ウグイスダニか……
ミステリー・推理
公開:19/02/23 13:03
更新:19/02/27 20:32

西木( Tokyo/Tokushima )

コツコツ書きます。
皆さんの素敵な作品を読めて幸せです。
84(20190624 回転)

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