だから、私は法学部を志望する

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 地面を踏みしめ、先へ先へ。風を全身で感じながら「走る」喜びに勝るものがあろうか。小型飛行機が、一般家庭に普及して久しい今だからこそ、より味わい深い。知る人ぞ知る珍味と言うべきか。
 同好の士10人と共に、先月、私はマラソンクラブを結成した。妨げる乗り物も、信号もない、広い道路を独占できることに仲間たちはどよめいた。
 さあ、走ろう、思い切り。と、駆け出して間もなくだった。上から空き缶が落ちてきて当たったのは。
 見上げれば、一台の飛行機がやや低い位置を飛んでいる。カップルがいちゃついているらしい。
 おのれ、水をさしやがって。マナーを守れ、マナーを。
 私は怒り、決意した。
 体育大ではなく、法学部へ行こう、と。政治家になり、ポイ捨てがなくなるような法律を作ろう、と。
 そのためにも、あと3ヶ月しか、いや3ヶ月もある。大嫌いな科目を克服してやろうではないか。
SF
公開:19/04/15 22:08
マラソン 志望動機

ヴェルデ( 東京 )

現在、歴史や美術についてのコラムを書くライターとして活動中。
夢は、アート小説を書くこと

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