13. The Moon Waltz

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ヒラヒラと。
パタパタと。
扇子が舞っていた。
まるで誰かを探しているかのように。
その扇子が突然、パサッと閉じた。
閉じた扇子が、ヒュンと飛んで行く。
それがスポッと着物を着た淑女の手におさまった。

キラキラと。
ピカピカと。
ステッキが輝いていた。
まるで誰かを待っているかのように。
そこに洒落た紳士がやって来た。
ステッキの輝きが、より一層増す。
紳士は迷うことなくそのステッキを手に取った。

しゅくしゅくと。
しんしんと。
夜の街が静まっていた。
まるで前奏の合図を待つかのように。
紳士と淑女がすれ違う。
共に足を止め、振り返った。

「どうかしら?」
淑女が扇子を開き、微笑む。
「良いセンスだ。是非……」紳士がステッキをコンッと突き、穏やかな口調で言った。
「一夜を共に」
ステッキの先から放たれた閃光が、夜空に丸く浮かんだ。
「まぁ、ステキ」

夜の街、ワルツの音色が月を仰ぐ。
ファンタジー
公開:19/04/04 22:22
『壬生モンキーパーク』 13曲目 そるとばたあ宿題 アルバム作り(壬生ver.)

壬生乃サル

自由きままに、気の向くままに。
サルも木から落ちる・る・る~。

壬生乃サル(MIBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)

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