催眠術

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目の前が真っ暗に。挫折。あいつ、私が糸で五円玉を吊るして振り子のように10回揺らしても、コクリともしなかった。今まではみんな、あっという間に寝てしまったのに。まああいつ、目、瞑ってたんだけど。恥をかいた。これではお茶の間の笑い者。修行し直さなければ。
私は山にこもり、1日中、1日8万回くらい、五円玉を振り子のようにゆらゆらさせた。ゆらゆらゆらゆらゆら。そして寝る。そんな生活。そんな生活を一年繰り返したある日、私はいつも通り五円玉をゆらゆらしていた。
ゆらゆらゆら、!!、!?
何か変だ。自分自身もゆらゆらしているような。視界もおかしい。周りの木々もゆらゆらゆらゆら、変な方向を向いている。くるくる回っているような、、。浮いている。浮いているのである。周りのものも自分も。なぜ、なぜなのだ。体はどんどん上昇。どうして、、、。

この時催眠術師は、重力を眠らせていたのだ。
パチッ
ドッシーン!!
SF
公開:18/12/22 19:01

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