宝石箱

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「これ、やるわー」
唐突に彼からお弁当箱くらいの箱を渡された。
「なにこれ?」
「宝石箱」
「宝石箱ぉ?」
ケチな彼が宝石なんてくれるはずがない。
宝石が入ってるにしては箱がちゃっちい。
ははーん。
これ、蓋を開けたら何か飛び出すのではないだろうか。
所謂、ビックリ箱。
よーし、何が飛び出してきても無表情ノーリアクションだ!
そう覚悟を決めた私は、勢いよく蓋を開けた。

何も飛び出してこなかった。
というか、これ……。

「うわぁ、ホンマやぁ! 宝石箱やぁ! 宝石と言うより、海鮮やぁ! って、弁当やんけ!」

そう、箱の中身はイクラやウニなどがぎっしり詰まった弁当だった。
「くくくっ」
嬉しそうにしてる彼を見るに、ノリツッコミは今ので良かったらしい。
「それ、北海道産のイクラやウニやで。割りとガチで宝石箱やぁ!」
「へぇ」
「まぁ、お取り寄せやから鮮度は落ちとるけどなー」
「アカンやん!」
その他
公開:18/12/06 23:59

壬生乃サル

まったり。

2022年…3本
2021年…12本
2020年…63本
2019年…219本
2018年…320本 (5/13~)

壬生乃サル(MiBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)

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