無人島にて

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 潮に流され、漂着した島は無人島だった。食糧を求めて山を歩き回ったが、木の実一つ見つからない。洞窟を見つけ、そこに倒れ込んで泥のように眠った。
 朝起きると、洞窟の前に鳥の卵、山野草が置いてある。野草の茎には齧歯類の噛み跡があった。やがて小鳥たちが小枝を複雑に組んで快適な小屋を作ってくれた。ネズミが植えたら育ちそうな穀物や豆、野菜の苗を枕元に置いていく。猪が土を掘り返し、畑になりそうな土地を耕してくれた。もうダメかと思ったけど、生きていけるかもしれない。
 一年後、実った作物の九割は動物たちに食われた。
 やっと気がついた。おれはあいつらの労働力だったということに。
ファンタジー
公開:26/09/28 12:53
更新:26/09/28 12:58

カワラヒワ( 東京都 )

グラフィックデザイン、イラスト、トラッド音楽、犬、自炊が好きなホモサピエンスです。
ことばに興味があります。

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