ハチミツの月

0
1

夜中、起こされる
月明かりが耳元でささやいて
わたしを起こす

外を歩いている人の話し声がほとんどない冬の夜は
しずかで好きだ、心細いけれど

ときどきある話し声には
心構えができていなくって体の震えが止まらない

そんなわたしに月の明かりはやわらかい
月は、わたしの側についてくれる
太陽のように厳しさや激しさがなくって
ハチミツみたいなとろける甘さで
わたしをつつんでくれる

月は、わたしのはなしをちゃんと聞いてくれる
太陽のように、聞く耳持たん、と
いっさいをきっちり退けるのでもなく
鎧を身につけてもいなければ、王冠をいただいてもいない

カーテンからこぼれている明かりが弱くなって
月が、さよならを言ってくる
あしたもきっと会えるはずなのに

会える

会えるよね

願ってしまう












.
その他
公開:26/03/31 18:36

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容