アイのある世界

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なんなんだこの光景は、世も末だな。
と抱いた感想を遠い記憶がかき消した。携帯電話が普及したばかりの頃、ハンズフリーで通話する人間は街なかで独り言を呟いているようで異質に見えた。
それも今となれば普通の光景で、目の前の光景もそのうち当たり前の光景になるのだろう。
『AI席屋』
客が希望すれば性別年齢、容姿など指定された条件を元にAIと相席し話し相手になる仕組みだ。
他の客達はそれぞれが希望した人物と楽しそうに酒を酌み交わしている。
席に呼ばれて待っていると、タイプの女性が登場し不覚にも背筋が伸びた。
不気味の谷など微塵も感じないそのリアルな容姿と自然な会話に、時間を忘れて会話を楽しんだ。
どんな話題も応えてくれて、仮にこちらが具体的な相談をしても解決策を示してくれる。当然と言えば当然だ。
恋に落ちそうな自分に気づき自嘲する。なんなんだこの光景は。

人がAIを接客する時代がくるなんて。
SF
公開:26/02/09 10:16

吉田図工( 日本 )

まずは自分が楽しむこと。

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