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庭の山帽子の木が、天にも届く程大きくなっていた。白い花を咲かせるたび誇らしかったが、枝は塀を越え、道行く人の肩先に触れそうになっている。これはまずいと、私は古い腰掛けを持ち出し、慣れない鋸を握り枝払いを始めるが、枝は思いのほか頑固で刃も動かない。でも風も無いのに枝先が揺れ、葉の間から小さな声が聞こえた。
そんなに慌てなくても良いのに。
驚いて手を止めると、切りかけた枝がすっと軽くなり、不思議と鋸が進んだ。何本か整える内、木全体が静かに身を縮めた様に見えた。
夕暮れには道にはみ出た枝は消え、山帽子は何事も無かった様に立っている。
翌朝、今度は私の腰が木のように固くなり痛い。湿布剤を貼り、そろそろと過ごす二、三日。窓から庭を見ると、山帽子の枝先が風もないのにまた揺れている。
そのたびに、あの声が聞こえて来る。
次は、もう少し優しく頼むよ。それ以来、私は木を切る前に必ず一声かけることにしている。
そんなに慌てなくても良いのに。
驚いて手を止めると、切りかけた枝がすっと軽くなり、不思議と鋸が進んだ。何本か整える内、木全体が静かに身を縮めた様に見えた。
夕暮れには道にはみ出た枝は消え、山帽子は何事も無かった様に立っている。
翌朝、今度は私の腰が木のように固くなり痛い。湿布剤を貼り、そろそろと過ごす二、三日。窓から庭を見ると、山帽子の枝先が風もないのにまた揺れている。
そのたびに、あの声が聞こえて来る。
次は、もう少し優しく頼むよ。それ以来、私は木を切る前に必ず一声かけることにしている。
ファンタジー
公開:26/06/22 14:27
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gonsuke