osAI:hu

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「なぜそのお菓子が必要ですか」フーが聞いてきた。
「そりゃ好きだからさ」と僕は答える。
「惰性で食べるお菓子は我慢すべきです」とフーは開かなくなった。
「じゃあこっち。新発売で一度食べてみたかったんだ」「…経験として今回だけいいでしょう」
フーは開き、小銭を取り出すと支払いを済ませた。
無駄遣いをしないよう、親が僕に持たせたAI搭載の最新財布『osAI:hu』はちゃんとした理由がないと財布の紐を緩めてくれない。

「使い道がありません。却下」
「待ってフー、GPSオフになってない」
「おっと。…ここは、なるほどそういうことですね。失礼しました使い道なんてなくていいですよね」
時折、フーは訪れた先の情報を饒舌に語り教えてくれ、終日財布として閉まることはなかった。
おかげで、気に入った龍や剣のキーホルダーは全て買うことが出来た。

修学旅行のその日、すっかりフーの口は緩んでいた。
SF
公開:26/06/22 10:53

吉田図工( 日本 )

まずは自分が楽しむこと。

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