屋上のスナイパー:3

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見回してみるのだけど誰もいない。

―おいしっスか?

また声がした。
どうやら、後ろの男からのよう。

―ええ、まあ

不意を突かれ、マヌケな返答になってしまった。

―いっスねえ

―い、いえ、たいしたものは入ってないんですけど

普通に答えてしまってるけど、はたして、いいんだろうか。

―白メシにふりかけ、玉子焼き、ウインナー、ほうれん草のごま和え、あとは、金時豆とたくわん、っスか

―え、当たってます

―へへっ

―すごい、すごいです

―いえいえ

―こっち見てないですよね、なのに、なんでですか?

―わずかなにおいと咀嚼音、っスかねえ

―へえ、ほんとすごいです

―いえいえ

―職業柄、ですか?

―まあ、そんなとこっスねえ

ときどき出てくる軽い受け答えが、殺し屋には似つかわしくない。
殺し屋らしくない男に、けれど私は、普通に感心してしまった。




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青春
公開:26/04/29 08:57

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