着ぐるみ村の秘密

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昔々あるところに、村人皆が着ぐるみを着て、村長がとても愛されて慕われている村がありました。
しかし、村の皆は着ぐるみを外して遊んだりするのに、村長は絶対に着ぐるみを外そうとしませんでした。
ある日村の少女が、祭りが終わって酒も飲み明かした後の村長が独り泣いているのを見つけてしまいました。
「どうして泣いているの?」
「辛いんだ、自分をさらけ出すのが怖いんだ」
村長のはいつもの朗らかな笑顔とは全く違う、酷い孤独感を放っていました。
「俺は本当は怪物だから、」着ぐるみを脱ぎながら続けます。
「嫌われるのが怖いんだ」
少女はただただ抱きしめて、自らも自然と溢れる涙を零しながら慰めました。
「なら、似た者同士だね。私、本当は幽霊なんだ。」
「だから着ぐるみの村に来たの。自分を隠していられるから」
村長は驚いたあと、少し笑いました。
それからは毎晩、深夜にお互いをさらけ出せるようになりましたとさ。
その他
公開:18/05/21 08:51

白梅 弥子

純粋で腹黒で素直なひねくれ者です。
ホラーやSFを中心に、様々なジャンルで書いていきたいと思っております。
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