テディベアの行方

地下アイドルの握手会で、クマのぬいぐるみを推しのリルルに手渡した。「大事にするね」とニッコリ笑う俺の天使。
実はこの中に小型カメラを仕込んでいる。これで着替えだとかプライベートを盗み見ようという魂胆だ。
だが、家に帰ってパソコンを起動してもずっと真っ暗な画面。
すぐにあきらめた。

念のためにと数日後に確認すると何か映っているではないか。前に見た時は運搬中だったのか。
でもリルルじゃない。複数の子供だ。どうやらクマはどこかの施設に寄付されたのだ。
子供が遊ぶ風景なんてつまらん。
見るのをやめようとしたら職員らしき人が現れ、突然子供を殴った。一度ではない。暴行シーンがしばらく続いたのだ。
俺は気分が悪くなって顔を覆った。

その後、急いで場所を特定する。俺にかかれば割り出すのはたやすい。
でも、どうしたらいい？
悩んだ結果、俺は警察を訪れた。
そして、そっとデータを差し出した。捕まる覚悟で。