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恋人が飛び降り自殺したという一報はにわかに信じられなかった。もうすぐ結婚する予定だったのに。
葬式で彼の母親が形見に砂時計をくれた。それを自分の部屋に持ち帰って悲しみに暮れながらひっくり返す。
すると、不思議な現象。砂がさらさら落ちる間、彼の姿がガラス部分に映り出したのだ。
幻? 幽霊?
二人一緒にいた風景も流れ、思い出が色濃くよみがえる。最後には生き生きとした彼が話しかけてくれた。
「実は…俺…殺されたんだ」
「え?」
確かに自殺の理由が思い当たらなかった。でも殺されたですって?
「会社の同僚の女で…二股でもいいって言うからさ…そしたらあいつマジになっちまって。ワインに睡眠薬仕込まれてたのはうかつだったよ。自殺に見せかけて…完全なメンヘラ…」
そこで途切れた。最後の一粒まで砂が流れ終わったのだ。
砂時計を頑丈な箱にしまうことにした。そして、もう二度と取り出さなかった。
葬式で彼の母親が形見に砂時計をくれた。それを自分の部屋に持ち帰って悲しみに暮れながらひっくり返す。
すると、不思議な現象。砂がさらさら落ちる間、彼の姿がガラス部分に映り出したのだ。
幻? 幽霊?
二人一緒にいた風景も流れ、思い出が色濃くよみがえる。最後には生き生きとした彼が話しかけてくれた。
「実は…俺…殺されたんだ」
「え?」
確かに自殺の理由が思い当たらなかった。でも殺されたですって?
「会社の同僚の女で…二股でもいいって言うからさ…そしたらあいつマジになっちまって。ワインに睡眠薬仕込まれてたのはうかつだったよ。自殺に見せかけて…完全なメンヘラ…」
そこで途切れた。最後の一粒まで砂が流れ終わったのだ。
砂時計を頑丈な箱にしまうことにした。そして、もう二度と取り出さなかった。
ファンタジー
公開:22/08/05 19:11
どんでん返しが好き。ちょっとずつ書いていきたいです。
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