星天シャワー 第二夜

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 「空、曇ってるね」
 せっかく、星を見に来たのに。
 そんな私に、Mはいたずらっぽく笑う。
 「まあまあ、見ててよ」
 Mは、小さな袋を取り出す。Mは袋に手を入れ、何かを掴む。そして、空に向かって投げる。



 「え?どうゆうこと⁉︎」


 さっきまで、曇っていたのに。


 「これね、“星天シャワー”って言う。晴れる天じゃなくて、星の天って書くんだけど…ほら、結婚式で“フラワーシャワー”ってあるじゃん。あれの星バージョンみたいな感じ!……あっ、そうそう。“星天シャワー”には、願いが叶うっていう言い伝えがあって…」

 Mは私に微笑む。
 「慣れない場所で生活するの、とっても不安だった。でも、Nが同期で。そしてお隣さんで本当に良かった。いつも、いつもありがとう。だからね、私の願いはこれ。……これからも、Nと一緒に”ここ”で頑張っていけますように!」
その他
公開:22/04/29 23:35
更新:22/05/01 06:11

すみれ( どこか。 )

書くこと、読むことが大好きな社会人1年生。
青空に浮かぶ白い雲のように、のんびり紡いでいます。
・プチコン「新生活」 優秀賞『また、ふたりで』
・ショートショートコンテスト「節目」 入賞『涯灯』



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