舌切雀

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爺さんが帰ってきて小さなつづらを開けるとなんと金銀、宝珠、サンゴがごっそり入っているではないかいな。
婆さんはそれを見て慌てて雀のお宿に走った。
雀たちはわざわざようお越しなさったと婆さんをたっぷり接待し大いに楽しませた。
そして、婆さんが宿を出る時に爺さんの時と同じようにどちらかお好きな方をお持ち帰りくださいと小さなつづらと大きなつづらを差し出した。
婆さんは小さなつづらを選んだ。
さて、家にも持ち帰りつづらを開けたら、空のつづらに手紙だけが入っとった。

「ところがどっこい大体は小さなほうを選ぶ人がより打算的。雀子より」

土産で喜ばせながら裏で人を試すだなんて、結局お前さんが一番不道徳な行いをしとるわい。
どっちの中身が得とか損とかそんなことどうでもいいのさ。
私が本当に欲しかったのはこれなんだよねえ~。
婆さんは嬉しそうにつづらを撫でた。
その他
公開:20/11/10 08:02

MIKI( インドネシア )

インドネシア暮らし

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