行列

長い行列があったので何か得な話かと思って取りあえず並んだ。
そして前の男に聞いた。
「何の列だい」
男は、知らないけどがこんなに並んでいるのだから何かいい話でしょう、と言った。確かに。
いつの間にか後ろに女が並んでいて「何の列ですか」と。
「知らないけどこんなに並んでいるのだから何かいい話でしょう」
女が「確かにね」と頷いた。
何があるのだろう。美味しいものだろうか。様子を見に行こうか。
だが場所取りはどうする？詰められたら終わりだ。みんな少しでも前に詰めたいのだ。
いい方法がある！前へ前へと伝言を送ってもらおう。
私は前の男に耳打ちで伝えた。
「いったい何があるのか後ろに伝えてくださいな」
わくわくしながらしばらく待っていると一時間くらい経過した後、また後ろの女がとんとんと私の肩をたたいて耳打ちで、
「いったい何があるのか後ろに伝えてくださいな」