『猫術』

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「猫術」は馬術以外にも人間と親しみ深い動物との競技を、という考えから生み出されました。ルールはキャットタワーの周りを大会指定のおもちゃを使って飼い主といかに美しく遊べるか。ねこじゃらしは飼い主が扱いやすい、ボールは新体操のように美しい、ねずみの人形はペアでダンスを踊るようにも見える、とおもちゃにも特徴があります。

大会も大詰め、最後の猫が登場しました。曲と同時に勢いよく動き始めます。飼い主の持つねこじゃらしに向かって大きくジャンプ。続けて投げられたボールを三回転してからキャッチ。最後にねずみの人形をくわえてキャットタワーを駆け上がりポーズ。客席は大盛り上がり。ですが演技を終えた猫は酔っ払っているかのようにフラフラ。様子がおかしいと気づいた審判が近づき、すぐに失格を伝えます。ざわつく会場内に説明がされました。
「ただいまの選手、ドーピングであるまたたびを使用していたため失格となります」
その他
公開:20/08/30 09:52
更新:20/08/30 10:19

白川湊太郎( 東京 )

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