防波堤の死神様

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 僕はその御方が見えてしまった。
 祖父の葬儀の時、「お邪魔しまーす」と、経を唱えている時に場違いなまでに飄々と入って来た。
 普通の人間でないというのは、僕以外誰も姿が見えず、声も聞こえていなかったからだ。

 男は大広間内で何かを探し、見つけると縁側までトントンとリズミカルに歩み寄った。
 誰もいない所へ話しかけ、誰かと一緒に外へ向かった。相手は見えない。

 謎の男は葬儀から三日後、近所の防波堤の上に腰掛けて缶コーヒーを飲んでいた。
 僕は意を決して話しかけた。

「え? 見える人? すっげ、レアだ。稀にいんだよねぇ。俺、死神。夏終わりは死ぬ人多いから回収に来てんのよ」

 チャラい死神。印象とまるで違う死神像を見せつけられた僕は、死神様に、死神様が視えなくなる力をかけられた。

 誰にも信じてもらえない死神話。
 僕はこの出来事を心の奥底にしまい、日常生活を送っている。
ファンタジー
公開:20/05/23 10:28
死神話

赤星 治

【投稿したら、Twitterで何作投稿したかを報告します】
短編長編は、エブリスタとノベルアップ+で活動中です。

自作がアニメ化、映画化、ドラマ化等々、映像化される事を願いつつ、日々精進しています。

ショートショートガーデンでは、毎日一作以上投稿できるように、修行の一環として励んでいます(^o^ゞ

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