ワープする机

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授業開始の挨拶をして僕は着席した。
教科書を開き、ノートも開き、よし板書しようと顔を上げるとそこは草原だった。
「……え?」
青々しい草が生えた、だだっ広い草原。
吹き抜ける心地よい風。燦々と照りつけながらも柔らかく僕を包み込む陽の光。
ここはどこだと焦っていた僕だったが、次第に瞼が重くなり、微睡の中に消えていった。

目を覚ますとそこは教室だった。
「やっと起きた。おはよう。お寝坊さん」
僕の隣でそう囁くのは、憧れの人。
甘く囁くその声に僕はドキっとして、跳ね起きた。
「わっ!えっ?どうゆうこと!」
「何を驚いているの?いつもの事でしょ?」
その言葉の意味を僕ができないでいると、彼女がそっと目を瞑り、まるで接吻を待っているかのように。
「どうしたの?いつもの事でしょ?」
誘われるがまま、僕は。

ーースパン!
「授業始まってすぐ寝るやつがいるか!ボケ!」
あともう少しだったのに。
青春
公開:20/03/26 17:05
ワープ 接吻

愛沢由乃

愛沢由乃(あいざわゆの)と申します。
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