光の妖精(1)

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昔々、森の奥深くに住んでいる妖精が、道に迷い困っている小さな子供を助けたことがあった。
その子は何かお礼をしようと考え、目の前にいる妖精を見つめながら、思い切って尋ねた。「僕は妖精さんに何をしてあげたら良い?どうか何でも言ってね」

木漏れ陽が天から幾筋も射し込んで煌めいていた。その子よりもっと小さな姿の妖精は、微笑みながらそっと答える。「君が大切しているものが欲しいな…」

その子はしばらく考えてから言った。「僕がいちばん大事にしている本をあげるよ。この大きな樹の下で待っていて。すぐに戻って来るから」
「どうも、ありがとう…」と木霊する妖精の声を背に、本を取るため家へ一目散に駆けて行った。

すると、その子は帰りが遅くなったことで、母親からきつく叱られた。
こんこんとお説教を受けて、再び森に行くことを禁じられた。そして、日が経つにつれ、いつの間にか妖精との約束は忘れてしまった。(つづく)
ファンタジー
公開:20/01/26 00:53
更新:20/01/30 08:54
昔話

白ねこのため息( あちらこちらにいます )



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