くま(第十五回『謎解き・その2』)

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「もったいぶって、謎解きごっこしてもいい?」

あきちゃんに聞かれる。

「どぞどぞ。」

「どもども、えー…」

「さて、うちの男性陣には、脱衣所でクマを怪盗に変えることはできない。」

「女湯だからね。」

「そこで注目すべきは額縁の絵。」

「うん。」

「卯月の間なのにアヤメっていうのは、ちょっと引っかかっていたんだよ。」

「藤の花ならぴったりなのにね。」

「そそ、で、その藤の花の絵は、皐月の間にあった。」

「うむ、見てきたから間違いない。」

「さらに、傍証となるのが、人数分用意されていた浴衣。」

「そして、決定的なのが双子のクマだね。」

そう言う私の笑みは、凄みが増したことだろう。

あきちゃんがまとめる。

「つまり犯人の条件は、1.女湯に入れる、2.アヤメの絵のことを知っている、3.そこに手紙を隠すことが出来る、4.全く同じクマを事前に用意できる、ってことだね。」
ミステリー・推理
公開:19/09/01 04:19
更新:19/09/01 04:30

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