くま(第二回『プロローグ・その2』)

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「わぁ、かわいいクマちゃんね、友達なの?」

「うん。」

「このまえ娘にプレゼントしたら、たいそうお気に召したようで片時も手放さないの。」

「そっかそっか、良かったね、さくらちゃん。」

「そのクマさんに名前は付いているのかい?」

すると黙ってしまった娘に、瀬戸内君が視線で救助を求めてきた。

「私たちにも名前を教えてくれないの。」

「あら、内緒なのね。」

「どうする、好きな子の名前を付けているのかもしれないぞ。」

嬉しそうにいう千葉君に。

「実は私も同じことを言ったものだから、しつこく聞き出そうとして、お父さん、今ちょっと嫌われているのよね。」

「しょうがないな遠山は。」

「そうかあ、同じ轍は踏まないようにしないと。」

ひとしきり話をしたところで。

「そろそろチェックインをしてくるよ。二人部屋と三人部屋を一つずつ予約してあるから。」

幹事の瀬戸内くんが言った。
ミステリー・推理
公開:19/08/28 08:08
更新:19/08/31 02:58

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