報仇雪恥 ー貪婪骨董屋ー拾六

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「いらっしゃい」
入って来たのは、幼い男女の双子。彼等は肌も髪も爪に至るまで白かった。その白はアルビノとは異なる、禍々しい程に鮮烈であった。
「欲しい物があるの」
二人は手を固く繋いでおり、まるで一体化している様だ。
「生憎、うちは要求された品を出す店では無くてね」
「私達の主人を殺す品を」
「人を殺すだなんて…簡単に言うな」
睨みつけるアベルに、二人は首を振る。
「人じゃ無いもの」
「僕達を人扱いしない主人は人でない。見世物小屋に居た時よりもあの屋敷は酷い」
「成る程」
すると棚から一匹の白蛇が這い降りてきた。
「この蛇に噛まれると1時間程で激痛が襲い、最後は内臓が溶けて死ぬ。連れ帰る間に君達にも噛み付くが、それでも欲しいか?」
二人は顔を見合わせ頷き、幼い笑みを浮かべた。
「平気」
「苦しみなら慣れているから」
二人の繋いだ白い手に白蛇が絡みつく。その光景は新雪の輝きよりも眩しかった。
ホラー
公開:19/03/01 21:10
更新:19/03/01 21:14

川勢 七輝

【貪婪骨董屋 概要】
人類最初の殺人カインとアベル。弟を殺害後、神に彼の行方を尋ねられるが白を切るカイン。しかし大地に残されたアベルの血が兄の罪を神に訴える。
カインは追放され、アベルの血は天界で守られる事となった。
時は流れ、人間達が神の声に耳を傾けず横暴な振る舞いを続ける頃。神の関心は地球から薄れつつあった。そして、アベルの血の守護役であった天使は、彼のお守りに飽きが生じ、妙な空想に取り憑かれていた。
「何故、アベルは兄の嫉妬心に一切気付かなかったのか。また、血だけとなっても神に訴える復讐心、執着心に罪は無いのか。この欲が諸悪の根源なのでは」
神の目を盗み、天使のいたずらが始まる。
 

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