ひとに眼鏡をかけてもらうのって、なんか印象深いの

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中学二年の時、世界が一変するのを経験する。
眼鏡を作った。
体育館の高い壁の時計が読めるようになり、目が悪かったのを実感した。
卓球部だが熱心な部員ではなく、友達と帰りを合わせるためだけに練習に出ていたから、時計ばかり見ていた。
一方の友人は、生真面目な性格で、選手になれそうにない私をコーチしちゃうくらいには、何かを信じていた。

当時、学校は荒んでいて、不良グループが練習中に、卓球台を占拠して遊び始めたことがあった。

私と打っていた彼に、我慢の限界が来たなと感じて、眼鏡とラケットを台に置いた。

「いい加減にしろよ!」

丈夫さには自信があった。経験で頑丈さを知っていた、そう簡単に壊れない。
五人相手でさすがに立ち上がれなくなったが。
友達におぶさり、外の水道で鼻血をふかれて、眼鏡をかけてもらう。

「バカだな」

今でも、世界をクリアにしてくれた眼鏡にふさわしい中身でありたいと思う。
その他
公開:18/12/16 14:18
更新:18/12/16 22:04
ちょっと文字数足り無かった

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