UMA

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「私達、雑誌の記者をしています」
雪深い山中の一軒家で、その主である老人に、UMA特集と書かれた表紙を見せる。
「ゆーま?、何ですかなそれは」
「ご存じありませんか、未確認動物の事です。噂や伝承では語られるものの、学術的に未発見とされる動物で、ビックフットなどが有名です」
「ほう」
「この辺りで、翼もないのに空を飛ぶ獣の姿が目撃されていて、子供を助けたという伝承も残っています。お心当たり、ありませんか?」
「自由に空を飛び、子供の味方、知っておるとも」
「本当ですか!」
「ガメラじゃ」
「もーおじいちゃん!」
「ホォーホォーホォ」
豊かなひげと太鼓腹を振るわせて、笑うおじいちゃんは、優しげでも一筋縄ではいかなそう。
帰りの車中で強く訴えた。
「先輩、あのおじいちゃん、絶対に何か隠してます!」
「まあ、確実に一つ嘘をついていたな」
「えっ!」
「何も知らないのに、ユーマと読めるわけないだろ」
ファンタジー
公開:18/12/13 18:06
更新:18/12/20 03:51

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