遅刻

「今日、本当は、歴史が変わるはずだったんだよ。」
「ほほう。」
「本能寺の変を防ごうと思ったんだけど、駅で迷って時間に遅れちゃったんだ。」
「間に合ってたら、どうなったんだろうな、それ。」


「おそばの出前、まだですか、これじゃ、とし越しちゃうよ。」
「すみません、新年だけに、もうで（詣で）ますから。」


「道が遅れたって、どんな言い訳！」
「間違えた、電車が混んでいたんだ。」


「女性は、支度に時間がかかるの、乙女のたくらみよ。」
「たしなみではないんだね。」


「武蔵やぶれたり！」
「言い訳にしても、武蔵はおかしいだろ！」


「雨で道中たいへんだったろう。」
「到着が夜更け過ぎになってしまってすまない。」
「きっと君は来ないと思っていたよ。」
「これからつもる話でもしようか。」

（雨は夜更け過ぎに、雪へと変わるだろ～♪）