No.100 プレゼント

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「お前今すれ違った車のダッシュボードの上のドクロ見たか?」親友は話しかけてくる。

「いや、何も気づかなかったけど」

「亡くなった近親や友達の頭蓋骨をダッシュボードの上に乗せてドライブするの流行ってるらしいぜ」

「へぇー そうなんだ」

たわいもない会話の中、ふたりを乗せた車は公園の駐車場に停まり休憩する。

親友はトイレから帰ってきた後、ふいに車のトランクを開ける。

「そうだ最近お前、落ち込んでたから。はいこれ。 プレゼント」親友は頭蓋骨をひとつ渡す。

「お前の亡くなった愛妻のだよ」

7日前、突然行方不明になった妻の感触がした。

「そういえば、妻の首から下はどこへやったの……」

「…………。」親友は黙ったまま。

この新元号時代、不法投棄で道路の側溝や公園のトイレの裏の林やらに『首下』を捨てていくのが流行っていた。

ふたりは車を走らせる。ダッシュボードの上にあれを乗せて。
ホラー
公開:19/02/09 06:08
訳ありでNo.56は削除 したため実は このSSは99話目です! 自爆!

ゆっち( 北海道 )

星新一さんを尊敬しています。ショートショートが大好きな気持ちは永遠です。
 

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