転生屋

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 転生屋、という店名は、実にうさんくさい。
「よくバイトに来てくれたわねぇ」
「店長の見せる異世界、とても綺麗ですから」
 この店のウリは、ファンタジーからSFまで、あらゆる異世界を仮想体験できること。
 そして特徴的なのが、それらの仮想コンテンツが、みな店長の力だということだ。
「みんな、本物みたいって言いますよ」
「まぁ、本物だからねぇ?」
 店長の、イタズラめいた笑みと言葉。
(……本当、"本物の異世界"に、飛ばしちゃうからなぁ)

 ――そう。店長は、あらゆる世界を旅する、本物の神様。

 気まぐれに、空想と信じた客を見守りながら、異世界で遊ばせている。
(まさしく、掌の上だ)
「ねえ、あなたはどこへ行きたい?」
「結構です、今に満足なので」
「私となら、どこへでも?」
「……心、読まないでください」
 顔を赤らめて抵抗する私を、神様は微笑みながら、ぎゅっと抱きしめてくるのだった。
ファンタジー
公開:18/10/11 21:55
百合 ファンタジー 働きたい会社

子無狐

マイペースに小説書いてます。

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