忌術師 EP6ー曹環と迦陵ー

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島は荒波に守られており、大陸から来島する事は困難だが、こちらは忌術で作った抜け道があるので出航する事は珍しく無かった。実際、迦陵も今回、三年ほど調査・研究の任についていた。
彼女の家は、代々島主つまり我が家に仕える究官で、主に大陸について研究していた。役人は、頭と体に二分され、島官、書官同様彼らは聡明な頭脳と豊富な知識で島を支えてきた。しかし、迦陵の両親は幾度となく大陸に足を運ぶにつれ、彼らとの共存を唱える様になった。だが、荒波により独立を守られてきたこの島。極排他的思考な島官達は、彼らに猛反発。更には父さんも巻き込み、二人を解任してしまった。職を解かれた彼らはその日の内に自害。残された当時まだ11歳の迦陵は父の恩恵により、僕の乳母兼究官として雇われた。よって僕にとって迦陵は母であり、姉であり、そして……。
「ん?どうした曹環」
視線に気付き表情を緩める。僕は思わず彼女の手を握りしめた。
ファンタジー
公開:18/07/12 16:55
頭(とう)=頭脳派の官達 体(たい)=武闘派の官達 書官=書記、簿記を担当

川瀬 七貴

少しでも暑さが吹き飛びます様に

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