線路

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ところどころ、かすれた線路。

赤いチョークで描かれている。

ぼくが座っているこのベンチは、さしずめホームになるのかな。

このまま、線路を追いかけてみる。

滑り台を越えて、ジャングルジムをのぼり、ブランコによって、砂場の上の雲梯を渡って、またベンチに戻ってきた。

小さな公園をめぐる、なかなか素敵な路線だったけれど、ひとつだけ駅になっていない遊具があるのに気づく。

少し寂しい気持ちになって、シーソーを眺めていると、不意に声をかけられた。

「お兄ちゃん、何してるの?」

赤いチョークを握るその子に笑顔を向ける。

「電車を待っているんだよ。」
その他
公開:18/07/04 04:00
更新:18/09/08 10:17

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