僕たちの炭酸ジャズ

12
34

「聞いてくれよ、ジョン」
「どうしたマイク、冴えない顔して。オーブンで焼いたピザがアルミホイルにくっついて取れなくなったのかい?」
「実は、ショートショートのアイデアが全然思い浮かばないんだ」
「どれどれ、炭酸ジャズ。なんだい? この強引かつユニークな単語は」
「なんとかならないかな。このままじゃキャシーにも嫌われちまうよ」
「任せておけ。今夜ちょうどジャズのライブがあるんだ」

炭酸を飲むたびに、今もあの夜のことを思い出す。
演奏が始まるとジョンはステージに乱入し、大量の炭酸でシャンパンファイトをおっぱじめた。さながら地獄絵図。「今、今」と、彼はしきりに合図を送ってくるけど、正直何が「今」なのかわからなかった。気づいたら僕もステージに上がっていた。
その後僕たちは会場をつまみ出され、出入り禁止になった。
帰り道、余った炭酸で乾杯した。

あの夜、僕たちは確かに、最高のジャズを奏でたんだ。
青春
公開:18/06/25 18:49

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容