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「海は星の涙なの」

そう彼女は小さく囁いた。

「じゃあ雨は神様の涙かな」

そう僕は小さく囁いた。

二人きりの夜。海辺。満天の星。ジャリとなる砂の上を歩きながら僕達は笑い合う。

「でも、それならどうして星と神様は泣いているのかな?」
「哀しいから」
「哀しい?」
「星と神様は恋人なの」
「どっかで訊いた話だ」
「悲恋は何処にでもあるものだから」

そう言って彼女は小瓶に星の涙を掬い取る。

「どうするんだい?」
「貴方が空に持って行ってあげて」

そう言って彼女は小瓶を渡してくる。
僕の座る車椅子を押しながら渡してくる。

「涙には想いが溶け込んでいるから持って行ってあげて」

僕の命はあと僅か。やがて空へと昇る僕ならと彼女は言った。
星は神様の想いを受けている。だから星の想いを届けてと言って来る。

「後で私の涙もあげる」
「……僕のもね」

せめて悲恋の色を薄められるように――
恋愛
公開:18/05/15 19:00
海 星 神様 恋愛 悲恋

一ノ神(かずのしん)( 山口 )

神秘なものが大好きです!
中でも綺麗な星☆が大々好きです^^

皆さん宜しくお願いします。

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