あぜ道を歩く

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周りは誰もいない。農作業をしている老人もいない。
辺りは無音、風の音だけ響く。車の音も子供のはしゃぎ声も祭りに向けた太鼓の音も何も聞こえない。
ふと、この世界には自分しかいないのだと錯覚させられる。
入道雲が動いている。
この道の先には鳥居があるはずなのに深緑色の木すら見えない。田んぼの薄緑と背景の青が続いているだけだ。
引き返そうか。
引き返せばいつも通りの日常が待っている。
進もう。
この先には非日常が待っていると本能が歓声をあげている。
死に方は餓死だろう。田んぼの虫に喰われて骨も土に還って二度と見つかることはない。
何もかもを忘れて突き進む。将来、家族、友達の事など分からない。
ずっと歩いているのに疲れもしないし腹も減らないし夜にもならない。
着信音が聞こえる。きっと虫の声だ。
右瞼が開けられる感覚があるがそれも気のせいだろう。
振り返ると同じ景色がある。一粒だけ、涙が零れた。
ホラー
公開:18/02/16 20:59

腹痛

何卒よろしくお願いします
反応に困るようなものしか書けません。

作品に使用している画像はすべてフリー素材です。
コメントを頂いても返信出来ない時が多いです。すみません。

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