裁き

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A社は業績不振であった。幹部の給与が異様に高い事がリークし、社員のやる気が低下したのだった。
「社長、このままでは倒産です。やはり私たちの給与を下げる他ありません」
会議は長時間に及んだが減給以外の案はでなかった。途方に暮れているとそこに常務が入ってきた。
「どこへ行っていたのだ」と社長。
「申し訳ありません、ですが打開策を持ってまいりました」常務は持っていた電気ケトルをテーブルに置いた。
「このケトルは注ぎ口からβ波を放出し、干渉を受けた人のやる気を一日中湧かせることができます。
これを玄関に置いてみてはどうでしょうか?」
それは絶大な効果であった。業績は回復し業界1位となった時、世界は未知のウイルスに侵され始めた。そしてウイルスはA社にも及んだ。
「社長、緊急事態宣言が出されましたがどう致しましょう?」
「今の社員達のやる気があれば大丈夫だ。明日からリモートワークにするぞ」
公開:21/06/15 23:42

太郎犬( 日本 )

読書量も文章力も想像力もまだまだですが、ちょっとずつ投稿していきます。
コメントいただけると嬉しいです。
 

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