未来人葬儀社

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私は三代続く葬儀屋です。

最近、「不思議なご遺体」を扱ったお話をします。

先日警察の方へ、ご遺体の引き取りに行きました。

交通事故でなくなった身元不明のご遺体でした。

馴染みの刑事さんが言うには、

「このご遺体は、身元が分かる物は持っていた」というのです。

ところが、身分証や現金などは三十年ほど未来の物であることを示しており、

どれも、個人で作ったようなレベルのものではなく、

警察の幹部も、「本当の未来人だと思う人が多くいた」ということでした。

私は、火葬を執り行っている間、

この人は、タイムマシンができた未来から、

自分の過去を変えるために過去の自分の所にやって来て、

不運にも交通事故に巻き込まれたんだろうか、と考えました。

しかしそうするとこの人は、「五十歳の時に三十年前に死んだ」という様なことになるんだろうかと、

頭がこんがらがりながら思いました。
ミステリー・推理
公開:21/04/08 14:22

森ヒロタカ( 福岡 )

何も続いたことのない中年ですが、感動するショートショートを目指します。
 

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