海観覧車

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都市伝説で海に思い出がある人が乗れる観覧車があるらしい。海の思い出がよぎった時に突如現れその思い出の日に戻れるらしい。しかし何かと引き換えにしなければならないということなのでおいそれと簡単には乗れないとの事。ただどうしても心が潰れそうになった時は無条件で乗れるそれ。山村に暮らす蓮はその話を聞いた時、海に行ったことがないなぁと思った。そっか資格がないや。だから思い出なんてないな。読経が聞こえる。お父さんが死んだんだった。夏になったら海に行こうと約束してたのに。思い出はこれから作る予定だったから、それでもいいのかな。ズドドン!と大きな音が聞こえたので、蓮が慌てて外に駆け出すと、イルミネーションが煌びやかな観覧車がゆっくり回っていた。え?ウソ。「蓮、行こう」え?お父さん?ゴンドラに乗り込んだ蓮の目の前に青く大きな海が広がった。お腹が大きなお母さんが座っている。そっか3人で乗ったことがあったんだ。
ファンタジー
公開:20/04/30 15:14
更新:20/05/01 10:16

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