迷惑な男

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暇さえあれば非常識なことばかりして迷惑をかける、馬鹿にしか見えない男がいた。
男はコンビニの冷凍ケースに入ったり、おでんをつついたり、貯水槽を泳いだり、好き勝手にやりたい放題の限りを尽くしていた。
男はとにかく目立ちたがりやだった。だから、自分のやることなすことはみんな記録して、それをSNSにすべて公開したし、それらはみんな凄い勢いで拡散された。時には、スクランブル交差点にベッドを置いて寝るなど、街のど真ん中で迷惑行為をすることもあった。
すると、男に感化されその真似をするものが多発した。彼らはみんなただ面白そうだからやっただけだと悪気もなく言ってのけた。彼らには例外なく批判が殺到した。
しかし、その元凶であるはずの男は決して炎上しなかった。
男の行為を非常識だと咎めることのできる人は、そもそも男の存在を知らなかったのである。
それもそのはずだった。
そう、男は「馬鹿」にしか見えないのだ。
その他
公開:20/05/25 14:32

竜泉寺成田

物書きを目指している大学3年生です!
noteで短編を、Twitterでは140字小説を毎日投稿しているのでよかったら見てってください〜!!
ショートショートガーデンは思いつき次第更新します!難しい!いつかさわやかな作品を書きたい!
楽しんでもらえたら幸いです〜。
note:https://note.com/ryusenji_narita
Twitter:@ryusenji_narita

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