ハズレたのに当たってる宝くじ

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お父ちゃんが死んだ
先週みんなで集まった時は普通に喋ってたのに…

朝、起きてきたら亡くなってたらしい
最後まで病院行くの嫌がって自宅看護やったから本人にしたら本望やったと思う
最後の会話は「お前らの誰かに宝くじ当たってるで!夢で見たんや!」…やった
お父ちゃんは、もう何十年も家族の分まで宝くじを買うて、買ったくじを1枚づつ渡すのが習慣やった
そして誰かが当たるのに一喜一憂してた
抽選の前に亡くなったけど、みんな今回はいつもと違う感覚で発表を待った

結果は…全員ハズレ
「やっぱりなぁ…そんなうまい事いけへんか」と言いながら、ハズレくじ捨てられへんで財布にしもうた

このあいだ、3回忌が終わった
あの、ハズレくじ今でも財布に入ってる
今、思うたらハズレたから財布に入れて見るたんびお父ちゃんのこと思い出す…
お父ちゃん!やっぱり宝くじ大当たりやったな!やって家族の宝物になってるわ
その他
公開:20/05/13 12:30
更新:20/12/23 11:58

ジョン子( 大阪 )

先日、田丸先生の授業で発表させていただいた作品を初投稿させていただきました。
初めて書いたお話なので大目に見てください(/ω\)
令和2年5月12日初投稿

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