アトムくん

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僕は彼女からアトムくんと呼ばれている。歩くATMという由来からだ。

金田財閥の御曹司だと知ってからというもの、バッグやアクセサリーなどのブランドものを毎日おねだりしてくる。それでいい。それでも僕は彼女の大ファンなのだから。実は彼女、有名なアイドルなのだ。

そんな彼女が旅行に行きたいと甘えてきた。
「旅行?マスコミに狙われちゃうよ」
「じゃあさぁ、宇宙なら大丈夫でしょ」
「マジか?」

その日。僕たちは、お忍びで月へ旅立つことになった。
もちろん自家用ロケットだ。

地球は青かった。

「うわぁーキレイ!アトムくんありがとう。ごめんね。わがまま言って」
「ううん。君が喜んでくれるなら、僕は嬉しいよ。そうだ!月に僕たちだけの家を作ろうよ。ここならマスコミにも騒がれないよ」
「いやよ。ほかのアトムくんに会えないじゃない」
「え?」

現金な彼女のハートは、そう簡単に引き出せないようだ。
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公開:19/04/03 18:08
スクー お忍びATM

豊丸晃生( 大阪 )

ショートショートの神様、星 新一を崇拝しています。
お笑い系のショートショートを中心に書いていきたいと思いますので、よろしくです(^^)。

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