うそつき村の恋人

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あるところにうそつき村という村がありました。小さな村に住む人々は皆つややかな黒い髪と、赤い瞳をもっていました。彼らは嘘をついてほかの村の人を騙すという噂が広まりいつの間にかそんな名前がついてしまったのです。
あるとき、隣の村の娘がうそつき村の男に恋をしました。2人は森の奥でこっそりあいます。
「わたしだまされていたっていいわ」
娘はいつもこう言います。そのたびに男は必死に否定します。
「騙してなんかいない。本当に愛しているよ」
けれども娘は笑って取り合わないのです。だってうそつき村の人は嘘をつくから。男はこうも言います。
「君が信じてくれないなら、うそつき村から出ていく覚悟もある」
娘は微笑んで彼を抱きしめ、黒い髪を撫でました。
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公開:19/02/01 09:00

鱗星

物書き初心者。ちょっと不思議な話が好き。

Twitter:@uRokO_4
 

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