叔父さんは、なにを考えてた?

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なあ、今なに考えてた?

そう訊ねてきたのは叔父だ。
上官でもある。
「明日の作戦についてです」
そうか、叔父はそう言って僕の肩をポンと叩いて正面に座る。背後の窓から遠くに地球が見える。僕は宇宙コロニーの地図を広げて作戦を確認する。
「目標の座標を送信しておきました。運転は任せましたよ」
わかってるよ、叔父は地図を睨み付けながら吐き捨てるように呟いた。

「目標地点が見えたぞ」
「あの、この前の質問ですが」
「……なんだ?」
「本当は家族のことを考えていました。終わったら……母さんを旅行に連れてってあげてよ」

叔父が宇宙船に戻ったことを確認して、僕は目標に駆け込んだ。警備員は僕を見て逃げる。
スイッチを押した。身体中に装着した特殊強化爆弾と共に僕は飛び散った。宇宙コロニーの動力炉まで甚大な被害を与えたはずだ。
僕は数十万人の命をくべて、始まりの狼煙を上げたんだ。
唯一宇宙神による聖戦だ。
SF
公開:18/09/20 08:51
更新:20/02/02 06:35

G.G. Rooster( 東京 )

じーじーるーすたー。

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