恥レスキュー

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「いて〜、転んじゃったよ恥ずかしー!」
本当に転んだ僕より大きなリアクション。彼は恥レスキューの橋田さん。
恥をかいた人の傍で大きなリアクションをとって視線を自分に集め、その人を恥から救うのが仕事だ。
「恥の上塗りならぬ上書きですな」
橋田さんは笑って大通りを走り去った。

同じクラスの理沙ちゃんに告白をしてフラれた。
教室に入ると笑い声の渦が僕を包んだ。
「お前フラれたんだって?」
「ださーい」
恥ずかしさで教室を出ようとすると、橋田さんが一際大きな声で笑っている。
「何やってるんですか」
「恥のにおいがしたので現場に急行しました」
「まさに今、僕は恥をかいてますよ」
すると橋田さんは急に笑うのをやめた。
「相手に気持ちを伝える事は勇気のいる素晴らしい行為です。恥ずかしいのは、それをこんな風に笑う事ですよ。いかにレスキューでもこれは救えません」
橋田さんの言葉に、僕は救われたのだった。
青春
公開:18/09/04 19:48
更新:18/09/04 19:56

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